定義
心仕事量は心室が血液を駆出する際に行う圧仕事と容積仕事である。1拍の外的仕事、stroke workは圧–容積ループで囲まれる面積に等しい。pressure-volume area、PVAは外的仕事に、駆出されず心筋内に蓄えられた収縮末期ポテンシャルエネルギーを加えた総機械エネルギー指標である。
イメージ
心室をピストンとみると、圧をかけながら容積を押し出す仕事がループの面積になる。押し出しに使われなかった収縮エネルギーも含めた「その拍で使った機械エネルギー総額」がPVAである。
仕組み
圧–容積ループの横幅は一回拍出量、縦方向は心室圧を反映し、ループ面積は∮P dVで表される。後負荷が上がると高圧で駆出するため一拍仕事は変化し、前負荷・収縮性もループ形状を変える。収縮末期圧–容積関係と拡張末期圧–容積関係に囲まれた三角形状のエネルギー領域を外的仕事へ加えたものがPVAで、一定の収縮状態では心筋酸素消費量と比較的よく相関する。したがって同じ拍出量でも高圧駆出や過剰な収縮性は酸素コストを増やす。
例
大動脈圧が高い状態では同じ容積を送り出すにも圧仕事が増える。弁逆流では心室の総拍出量が多くても有効前方拍出が少なく、機械効率の解釈が変わる。