定義
心室相互依存は、左右心室の大きさ、形状、圧、収縮が、肺循環や体循環を介する直列関係だけでなく、心室中隔、共有筋線維、心膜拘束を介して直接互いへ影響する現象である。急な右室拡張は左室形状と拡張を変え得る。
イメージ
一つの硬めの袋の中に、壁を共有する二つの風船が入っていると考える。一方が急に膨らむと共有壁を押し、もう一方が広がる余地を奪う。
仕組み
右室圧・容量負荷が増えると心室中隔が左方へ偏位し、左室短軸断面がD字状となり、左室コンプライアンスと拡張末期容積が低下する。心膜が急性には伸びにくいため、全心臓容積の制約が相互作用を強める。左室収縮は中隔と共有心筋線維を通じて右室収縮へ寄与し、右室自由壁機能が低下しても左室由来の牽引が拍出を支える。呼吸による胸腔内圧・静脈還流変化も左右充満の競合を変える。慢性変化では心膜適応が起こり、急性ほど相互依存が強くないことがある。
例
急性肺塞栓で右室が拡張すると中隔が左へ移動し、左室前負荷低下に加えて直接的な左室充満障害が生じ、血圧低下を悪化させる。