定義
甲状腺ホルモン系は、甲状腺濾胞細胞がヨウ化物とサイログロブリンを用いて主にT4と少量のT3を合成・貯蔵し、末梢組織が脱ヨード酵素で活性型T3または不活性代謝物へ変換する内分泌系である。視床下部TRH–下垂体TSH–甲状腺軸と遊離T4/T3の負のフィードバックで制御される。
イメージ
甲状腺はホルモンをその場で少量ずつ作るだけでなく、濾胞腔のサイログロブリン上へ大量に備蓄する工場である。T4は主に血中輸送・前駆体、T3は細胞内で強く働く実働型と考えると整理しやすい。
仕組み
基底膜側NISがNa⁺勾配を利用してヨウ化物を取り込み、apical側輸送を経て濾胞腔へ送る。TPOがH₂O₂を用いてヨウ化物を酸化し、サイログロブリンのtyrosine残基へ有機化してMIT・DITを作る。DIT+DITからT4、MIT+DITからT3がカップリングで形成され、サイログロブリン内に貯蔵される。TSH刺激で内在化・lysosome分解され、T4/T3が放出される。D1/D2はT4をT3へ活性化し、D3はreverse T3などへ不活化する。遊離T4/T3が下垂体・視床下部へ負のフィードバックをかける。
例
寒冷や成長段階では中枢・末梢でのホルモン需要と脱ヨード化が変化する。TPO阻害、ヨウ素供給不足、甲状腺破壊、脱ヨード化変化は、それぞれ異なる段階でT3/T4動態へ影響する。TSHは甲状腺刺激の鋭敏な指標となるが、中枢性障害では単独解釈に注意する。