定義
治療薬物モニタリング、TDMは、薬物または活性代謝物の血中濃度を適切な時刻に測定し、薬物動態と患者状態を用いて投与設計を調整する診療手法である。濃度–効果関係が比較的明確、治療域が狭い、個体差が大きい薬で有用である。
イメージ
同じ量を投与しても患者ごとの「水槽の大きさ」と「排水速度」が違うため、水位を測って次の注入量を調整するイメージである。数値だけでなく測った時刻が重要である。
仕組み
定常状態トラフ濃度、ピーク濃度、AUCなど、薬ごとに効果・毒性と相関する指標を選ぶ。採血時刻、最終投与時刻、投与経路、服薬遵守、採血条件を確認し、分布容積、クリアランス、半減期から解釈する。腎機能変化、相互作用、透析、妊娠、重症病態では薬物動態が時間変化する。Bayesian推定では母集団モデルと少数採血から個人パラメータ・AUCを推定できる。目標濃度は臨床効果と毒性を補助するもので、病原体MICや病態に応じて変わる。
例
腎機能が急に低下した患者では、同じ維持量でもクリアランスが下がり濃度が蓄積する。採血値を基に投与間隔または1回量を調整する。