定義
末梢性感作は、損傷部位の侵害受容器が化学メディエーターにより興奮しやすくなる現象である。中枢性感作は、反復・持続侵害入力により脊髄後角や上位中枢のニューロン応答が増幅・持続し、通常は痛くない刺激でも痛みとして処理される状態である。
イメージ
火災報知器の感度が局所で上がるのが末梢性感作、中央監視室の増幅器まで過敏になり小さな信号を大警報へ変えるのが中枢性感作である。
仕組み
末梢ではPGE₂、ブラジキニン、H⁺、ATP、NGF、サイトカインがTRPV1、Na⁺チャネル、受容体のリン酸化・発現を変え、閾値低下と自発発火を起こす。中枢ではC線維入力がグルタミン酸・substance Pを放出し、NMDA受容体のMg²⁺ブロック解除、Ca²⁺流入、キナーゼ活性化、遺伝子発現を介してwind-upや長期増強様変化を生む。抑制性GABA・グリシン回路低下、ミクログリア活性化、受容野拡大も関与する。末梢入力が減っても中枢変化が持続する場合がある。
例
日焼け部位では軽い熱刺激が強く痛む一次痛覚過敏が末梢性感作を反映し、周囲の正常皮膚で軽い触刺激が痛む二次痛覚過敏・アロディニアは中枢性感作を示唆する。