定義
呼吸仕事量は、呼吸筋が換気量を生み出すために行う圧容積仕事である。弾性仕事は肺・胸壁を拡張するため、抵抗性仕事は気道と組織の摩擦に打ち勝つために必要で、1呼吸の仕事は圧–容積ループ面積として表せる。
イメージ
硬い風船を膨らませる仕事と、細いストローを通して空気を動かす仕事の合計と考える。ゆっくり深く呼吸すればストロー抵抗は減るが風船を大きく伸ばす仕事が増え、速く浅く呼吸すれば逆になる。
仕組み
弾性仕事は換気量とエラスタンスに依存し、低コンプライアンスの肺線維症や肺水腫で増える。抵抗性仕事は流量と気道抵抗に依存し、喘息やCOPDで増える。正常では呼気は主に弾性反跳による受動過程だが、閉塞性障害や高換気では呼気筋動員が必要になる。呼吸数と一回換気量の組合せには総仕事を最小化する範囲があり、拘束性では速く浅い、閉塞性ではゆっくり深い呼吸が相対的に有利となる。人工呼吸では患者仕事量と人工呼吸器仕事量の分担を考える。
例
肺線維症患者は一回換気量を小さくし呼吸数を増やして弾性仕事を抑える。COPD患者は呼気時間を長くして流量抵抗と動的過膨張を減らそうとする。