定義
小脳の誤差学習は、運動指令のコピーと実際の感覚結果を比較し、誤差に応じて小脳皮質・深部核のシナプス強度を変え、次回以降の運動タイミング、利得、方向を予測的に補正する仕組みである。
イメージ
毎回の投球が目標からどれだけ外れたかを記録し、次の投球の力と角度を少しずつ修正するコーチに似る。小脳は運動を直接開始するより、誤差から内部モデルを更新する。
仕組み
苔状線維は橋核や脊髄から運動文脈・感覚情報を顆粒細胞へ伝え、平行線維が多数のPurkinje細胞へ分散入力する。下オリーブ核由来登上線維は強い複雑スパイクを生じ、予測誤差や教育信号として働く。平行線維活動と登上線維活動が同時に起こると平行線維–Purkinje細胞間で長期抑圧が生じ、Purkinje細胞の深部小脳核への抑制出力が調整される。長期増強、深部核可塑性、タイミング学習も寄与し、前庭動眼反射や到達運動の利得を適応させる。
例
プリズム眼鏡で視野をずらすと最初は目標を外すが、反復で到達方向が修正される。眼鏡を外すと逆方向の後効果が現れ、内部モデル更新を示す。