定義
発生誘導は、誘導組織からのシグナルが応答能を持つ細胞の分化運命を変える細胞間相互作用である。モルフォゲンは組織内に濃度勾配を作り、閾値ごとに異なる遺伝子発現を誘導して位置情報を与えるシグナル分子である。
イメージ
一つの香りが発生源から遠ざかるほど薄くなり、細胞が香りの強さで自分の位置と役割を決めるイメージである。受信できる時期と能力がなければ、同じ信号でも反応しない。
仕組み
誘導側はFGF、BMP、Wnt、Hedgehog、TGF-βなどを分泌または接触依存的に提示し、応答側のcompetenceは受容体、転写因子、クロマチン状態で決まる。モルフォゲンは拡散、輸送、分解、受容体捕捉で勾配を形成し、濃度閾値と曝露時間により異なる標的遺伝子を活性化する。神経管ではShhが腹側から高濃度、BMP/Wntが背側から作用し、転写因子の相互抑制で境界が鋭くなる。誘導は段階的で、一度決定された組織が次の組織を誘導する。
例
脊索・床板由来Shh濃度に応じて、神経管腹側で運動ニューロン前駆細胞や介在ニューロン領域が異なる位置に形成される。