定義
マロニルCoAはアセチルCoAカルボキシラーゼにより作られる3炭素中間体で、脂肪酸合成酵素へ2炭素単位を供給する。また長鎖脂肪酸輸送酵素CPT-Iを阻害するため、その濃度が細胞質での脂肪酸合成とミトコンドリアβ酸化の選択を連結する。
イメージ
脂肪酸を作っている最中は、同じ脂肪酸を燃焼炉へ運ぶ入口を閉じる交通信号と考えるとよい。マロニルCoAが高ければ合成側、低ければ酸化側へ代謝の向きがそろう。
仕組み
摂食後はインスリンがアセチルCoAカルボキシラーゼを脱リン酸化して活性化し、マロニルCoAを増やす。脂肪酸合成が進む一方、CPT-Iが抑制されて長鎖アシルCoAの基質移行とβ酸化が低下する。絶食・運動ではAMPKがACCをリン酸化して抑え、マロニルCoAデカルボキシラーゼによる分解も寄与してマロニルCoAが低下し、CPT-I抑制が解除される。肝では燃料選択とケトン体産生、骨格筋では運動時の脂肪酸利用に影響する。
例
持久運動ではAMP/ATP比上昇によりAMPKが活性化し、マロニルCoAが減少して脂肪酸酸化が増える。摂食後の肝では逆方向へ切り替わる。