定義
定着は皮膚・粘膜などに微生物が存在し増殖していても、組織障害や感染症としての症候を生じていない状態である。感染は微生物が宿主へ侵入・増殖し、免疫応答や組織障害を引き起こす過程を指す。検体への一時的混入である汚染とも区別する。
イメージ
建物の玄関に人が滞在しているだけなら定着、建物内へ入り設備を壊したり警報を作動させたりすれば感染に近い。微生物が見つかった事実だけでは、どちらかは決められない。
仕組み
定着の成立には上皮への接着、栄養利用、常在細菌叢との競争、局所環境への適応が関与する。上皮障害、医療器具、免疫低下、菌量増加などで障壁を越えると感染へ進み得る。感染の臨床的評価では、検体採取部位、症状、炎症所見、菌量、組織侵入の証拠を統合する。無菌部位からの検出は感染を強く示唆する一方、皮膚・上気道・腸管などでは定着菌や常在菌の検出が多い。
例
鼻腔培養で耐性菌が検出されても、局所症状や炎症がなく単に保菌している場合は定着と考える。一方、同じ菌が血液培養から検出され、発熱と臓器障害を伴えば侵襲性感染を考える。