定義
催奇形性の臨界期は、薬物、感染、放射線、代謝異常などの曝露が特定臓器の発生へ大きな影響を与える時間帯である。影響は曝露時期、用量、持続時間、胎盤移行、母体代謝、胚・胎児の遺伝的感受性で決まる。
イメージ
建築工事で基礎、配管、内装を行う時期が異なるように、同じ障害でも工程のどこで起きるかにより結果が変わる。器官の設計中は形態異常、完成後は成長や機能障害が起こりやすい。
仕組み
受精後早期の着床前期は多数の細胞が代償可能で、強い障害では胚死亡、軽い障害では回復する「全か無か」の傾向がある。おおむね受精後第3〜8週(妊娠第5〜10週頃)の器官形成期は主要構造異常に最も感受性が高い。胎児期は成長、神経機能、内分泌、生殖機能などの障害が中心となるが、中枢神経や眼などは長期間感受性を持つ。単一の安全時期があるわけではない。各臓器の感受期は重なり、曝露後の影響は単一の境界日だけでは分けられない。
例
四肢芽が形成・分化する短い時期の曝露は四肢形態へ影響し得るが、同じ曝露がより後期なら成長や機能への影響が中心となる。影響臓器から曝露時期を逆算できる場合がある。