定義
負のフィードバックは、ある系の出力がその系の入力または上流段階を抑制し、初めに起きた変化を打ち消す方向へ働く制御である。体温、血糖、血圧、血中ホルモン濃度などを一定範囲に保つ中心的な仕組みである。
イメージ
室温が上がると冷房が強まり、室温が下がると冷房が弱まる制御に近い。生体でも、値が高くなったという情報が上流へ返され、産生や刺激を減らすことで過剰な変化を防ぐ。
仕組み
制御対象の変化は受容器で検出され、統合中枢または内分泌軸が誤差を評価し、効果器へ出力する。内分泌では標的腺ホルモンが下垂体や視床下部を抑える長経路フィードバック、下垂体ホルモンが視床下部を抑える短経路フィードバックなどがある。負のフィードバックは変動を小さくする一方、反応には時間遅れがあるため、過大な遅延や利得は振動を生む。病変部位の推定では、上流ホルモンと下流ホルモンの逆方向の変化が重要な手掛かりになる。
例
甲状腺ホルモンが増えると視床下部のTRHと下垂体のTSH分泌が抑制される。原発性甲状腺機能低下では甲状腺ホルモン低下に対してTSHが上昇するため、負のフィードバック関係から障害部位を推定できる。