定義
可逆性細胞障害は原因が除かれれば構造と機能が回復し得る状態で、細胞腫脹や脂肪変性が代表的である。不可逆性障害は、原因除去後も回復できず壊死またはアポトーシスへ進む状態である。
イメージ
一時的な停電で機械が停止しても復電で戻る状態が可逆性障害、電源装置や配線自体が破壊され復電しても動かない状態が不可逆性障害に近い。
仕組み
低酸素や毒性刺激でATPが低下するとNa+/K+-ATPase機能が落ち、Na+と水が細胞内へ入り細胞腫脹が起こる。嫌気性解糖増加で乳酸が蓄積しpHが低下、リボソーム離脱で蛋白合成も低下する。刺激が強い・長い場合、ミトコンドリア膜透過性遷移が回復不能となりATP産生が破綻し、細胞膜・リソソーム膜の完全性が失われ、Ca2+流入と酵素漏出が進む。不可逆性の実用的指標は、ミトコンドリア機能を回復できないことと膜機能の重大な破綻である。細胞種、代謝状態、温度で閾値は異なる。
例
短時間の虚血では細胞腫脹が起きても血流再開で回復し得る。虚血が長引き膜破綻とミトコンドリア障害が進むと、血流を戻しても細胞死を避けられない。