定義
正のフィードバックは、系の出力が上流の反応を促進し、初めの変化を同じ方向へ増幅する制御である。通常は恒常性維持よりも、排卵、分娩、血液凝固など一方向に完了させる必要がある過程で用いられ、外部の終止条件によって停止する。
イメージ
小さな雪玉が転がるほど大きくなり、さらに速く転がるイメージである。反応は自分自身を強めるため急速に進むが、坂の終わりや材料の枯渇など、別の仕組みがなければ止まりにくい。
仕組み
初期刺激が出力を生み、その出力が同じ経路の刺激を増やすことで利得が連鎖的に上昇する。分娩では子宮頸部伸展が求心性入力を介してオキシトシン分泌を促し、子宮収縮がさらに頸部伸展を強める。排卵前には持続的な高エストラジオールが視床下部・下垂体系を正の方向へ切り替え、LHサージを起こす。凝固では少量のトロンビンが凝固因子と血小板を活性化し、より大きなトロンビン生成を導く。終点到達、刺激消失、阻害系の作動が反応を停止させる。
例
分娩開始後、子宮収縮で胎児頭が子宮頸部を伸展するとオキシトシン分泌が増え、収縮が強くなる。胎児娩出により頸部伸展が消失すると増幅ループは終了する。