定義
萎縮は、既に正常な大きさへ発達した組織が、細胞の縮小と細胞喪失によって小さくなる状態である。発育不全や低形成とは異なり、後天的な適応・退行性変化を指す。
イメージ
需要が減った工場が設備と人員を縮小し、維持費を節約する状態に似ている。短期には生存戦略だが、長期化すると機能低下が明確になる。
仕組み
機械的負荷低下、神経支配消失、血流低下、栄養不足、内分泌刺激低下、加齢、圧迫などが蛋白合成を減らし、ユビキチン–プロテアソーム系による蛋白分解を増やす。オートファジーで細胞小器官が分解され、残渣がリポフスチンとして蓄積することがある。刺激が強い場合はアポトーシスで細胞数も減る。廃用性筋萎縮は再負荷で回復し得るが、長期の神経原性萎縮や虚血では線維化が加わり回復が限定される。
例
長期臥床では骨格筋の負荷が減り筋線維が萎縮する。閉経後にはホルモン刺激低下により子宮内膜・乳腺などが退縮する。