定義
虚血再灌流障害は、虚血組織へ血流を再開すること自体が、救済効果と同時に新たな細胞障害を加える現象である。再酸素化によるROS産生、炎症、Ca2+異常、ミトコンドリア膜透過性変化などが中心となる。
イメージ
長く止まっていた機械へ急に電源と流体を戻すと、詰まりや火花で追加損傷が起こるイメージである。再灌流は必要だが、戻し方と組織の残存能力で結果が変わる。
仕組み
虚血中はATP低下、乳酸蓄積、細胞腫脹、抗酸化能低下が進む。再灌流で酸素が供給されると損傷ミトコンドリア、キサンチンオキシダーゼ、活性化白血球からROSが急増する。pH正常化とイオン交換異常は細胞内Ca2+過負荷を促し、ミトコンドリア透過性遷移孔を開く。内皮活性化により好中球接着・微小循環障害が起こり、補体も組織傷害を増幅する。回復可能細胞は救済される一方、不可逆境界に近い細胞は壊死・アポトーシスへ進む。微小血管が再開通しないno-reflow現象も臓器灌流を制限する。
例
心筋梗塞の早期再灌流は梗塞範囲を減らすが、再灌流直後に不整脈、心筋スタニング、微小血管障害、出血性変化がみられることがある。