定義
ヘプシジンは肝臓で産生される鉄調節ホルモンで、鉄輸出蛋白フェロポルチンへ結合して内在化・分解させる。これにより十二指腸上皮から血中への鉄移行と、マクロファージ・肝細胞からの貯蔵鉄放出が抑制される。
イメージ
フェロポルチンを鉄の出口、ヘプシジンを出口を閉じる鍵と考える。ヘプシジンが高いと体内に鉄があっても血中へ出にくく、低いと腸からの吸収と貯蔵庫からの放出が増える。
仕組み
体内鉄や炎症性サイトカインIL-6が増えると、BMP–SMAD系やJAK–STAT3系を介してヘプシジン産生が上昇する。ヘプシジンは腸上皮基底膜側、マクロファージ、肝細胞のフェロポルチンを減らし、血清鉄を低下させる。貧血、低酸素、造血亢進では赤芽球系由来エリスロフェロンなどがヘプシジンを抑え、鉄供給を増やす。食事鉄は腸上皮へ取り込まれた後、フェロポルチンを通って血中へ出てトランスフェリンに結合する。老化赤血球の鉄はマクロファージで回収され、造血へ再利用される。
例
慢性炎症ではヘプシジンが高値となり、貯蔵鉄が存在しても血清鉄とトランスフェリン飽和度が低下する機能性鉄欠乏が生じる。鉄欠乏ではヘプシジンが低下し、腸吸収が増える。