定義
創傷治癒は損傷後の止血、炎症、増殖、成熟・再構築の連続過程である。再生は元の細胞と構造を回復する修復、線維化はコラーゲンを主体とする瘢痕で欠損を置換する修復である。
イメージ
壊れた建物を同じ材料で復元できれば再生、構造を完全に再現できず補強材で埋めれば瘢痕化と考える。初期の清掃、仮設足場、建設、仕上げが順に進む。
仕組み
損傷直後は血小板血栓とフィブリンが止血と仮設基質を作る。好中球とマクロファージが微生物・壊死組織を除去し、マクロファージがVEGF、TGF-β、PDGFなどを放出する。増殖期には血管新生、線維芽細胞増殖、コラーゲンIII型を含む細胞外基質沈着、上皮化が進み、肉芽組織が形成される。筋線維芽細胞は創収縮を担う。再構築期にはMMPとその阻害因子の均衡下でコラーゲンIII型がI型へ置換・架橋され、血管密度と細胞数が減る。組織幹細胞、基底膜の保持、細胞の増殖能が高いほど再生しやすい。
例
皮膚切創では表皮が再生し、真皮深部の欠損は肉芽組織と瘢痕で修復される。心筋梗塞後の壊死心筋はほとんど再生せず、線維性瘢痕へ置換される。