定義
腎尿酸輸送は、血中尿酸塩が糸球体でほぼ自由に濾過された後、近位尿細管で複数の輸送体による双方向輸送を受け、濾過量の一部だけが尿へ排泄される過程である。尿酸は生理的pHでは主に尿酸塩陰イオンとして存在する。腎での再吸収・分泌と腸管排泄、体内産生量の均衡が血清尿酸値を決める。
イメージ
尿酸は一度フィルターを通った後、尿細管で大部分を回収され、一部は再び尿へ送り返される複雑な通関を受ける。複数の入口と出口があり、乳酸、ケトン体、薬物などが同じ輸送系で競合する。
仕組み
管腔側のURAT1は乳酸やニコチン酸などとの交換により尿酸塩を近位尿細管細胞へ再吸収し、基底側GLUT9が血液側へ移す。OAT1とOAT3は血液側から有機陰イオンを細胞内へ取り込み、管腔側輸送体を介する分泌へつなげる。OAT4などは再吸収にも関与する。ABCG2は腎臓と腸管で尿酸塩排出に寄与する。体液量減少、乳酸・ケトン体増加は交換基質と近位再吸収を介して尿酸排泄を減らし得る。輸送体の遺伝的差異、腎機能、食事、薬物は尿酸排泄分画を変える。尿酸産生増加と排泄低下は異なる機序だが、どちらも高尿酸血症へ至る。
例
乳酸増加やケトーシスではURAT1の交換基質が増え、尿酸再吸収が高まることがある。尿酸排泄促進薬はURAT1などを阻害して尿中排泄を増やし、キサンチン酸化還元酵素阻害薬は尿酸産生を減らす。同じ血清尿酸低下でも作用点が異なる。ABCG2機能低下では腸管排泄も低下し得る。