定義
負荷投与量は主に目標濃度、分布容積、バイオアベイラビリティから決まる。維持投与量または維持投与速度は、主に目標平均濃度、全身クリアランス、投与間隔、バイオアベイラビリティから決まる。前者は体内へ必要な総量を入れる考え方、後者は単位時間に失われる量を補う考え方である。
イメージ
浴槽にたとえると、最初に目標水位まで一気に水を入れるのが負荷投与、その後に排水口から失われる分だけ足し続けるのが維持投与である。
仕組み
単純化すると、負荷投与量は『目標濃度 × 分布容積 ÷ バイオアベイラビリティ』、維持投与速度は『目標平均濃度 × クリアランス ÷ バイオアベイラビリティ』で考える。静脈投与ではバイオアベイラビリティを1とみなす。腎機能や肝機能が低下してクリアランスが下がると維持量を減らす必要があるが、分布容積が変わらなければ負荷量は必ずしも同じ割合では減らさない。投与間隔を長くする方法と1回量を減らす方法では、最高濃度と最低濃度への影響が異なる。 半減期が長い薬物は負荷投与を行わなければ定常状態へ近づくまで時間がかかるが、負荷投与は定常状態そのものを早めるのではなく、初期から目標体内量を与える操作である。持続静注では維持投与速度を設定し、反復投与では同じ単位時間当たり量でも投与間隔によって濃度変動幅が変わる。
例
半減期が長く、早期に有効濃度へ到達させたい薬物では負荷投与を検討する。腎機能低下患者では、分布容積に大きな変化がなければ初回量を保ちつつ、その後の維持量や投与間隔を調整することがある。