定義
効果修飾は、同じ曝露や治療であっても、年齢、性別、遺伝子型、重症度などによって効果が異なることを示す。これは推定をゆがめる交絡とは異なり、集団内に存在する重要な不均一性として記述・報告すべき現象である。 効果修飾因子は、因果関係を取り除くべき邪魔な因子ではなく、どの集団で効果が強いかを示す臨床的・生物学的情報になり得る。
イメージ
同じ鍵でも、取り付けられた錠前の種類によって開きやすさが変わる状況に似ている。第三の因子は誤差ではなく、効果が発揮される条件を変える要素である。
仕組み
効果修飾を調べるには、第三の因子で層別して各層の効果量を比較するか、回帰モデルへ交互作用項を入れる。加法尺度ではリスク差、乗法尺度ではリスク比やオッズ比の変化を評価するため、同じデータでも選ぶ尺度によって効果修飾の有無が異なり得る。事前に仮説を定め、各層の推定値と信頼区間を示すことが重要である。生物学的相互作用を検討したい場合と、予測精度を改善したい場合では適切な尺度や解析目的が異なる。 層別解析では、各層の対象数、背景因子、欠測、追跡期間が比較可能かも確認する。相対効果が同じでも基礎リスクが異なれば絶対リスク差は変わり、逆に絶対尺度で差がなくても相対尺度では差が見えることがある。
例
ある治療がバイオマーカー陽性群では明確に有効だが、陰性群では効果が乏しい場合、そのバイオマーカーは治療効果を修飾している可能性がある。単に両群の有意差の有無だけでなく、効果量同士の差を直接検定する。