定義
AUCは血中濃度–時間曲線の下面積で、一定期間に体内が薬物へどの程度曝露されたかを示す。Cmaxは測定区間内の最高濃度、TmaxはCmaxを示した時点であり、吸収速度、製剤、投与経路、食事などの影響を受ける。 AUCには最終採血時点までを積分するAUC₀–tと、終末相を無限時間まで外挿するAUC₀–∞などがあり、目的に応じて使い分ける。
イメージ
AUCは一日の総雨量、Cmaxは最も強く降った瞬間、Tmaxは雨が最も強くなるまでの時間に例えられる。同じ総雨量でも、短時間に集中するか長く穏やかに降るかでCmaxとTmaxは変わる。
仕組み
線形薬物動態では、静脈投与後のAUCは概ね『投与量 ÷ クリアランス』、血管外投与では『バイオアベイラビリティ × 投与量 ÷ クリアランス』で表される。吸収が速いほどCmaxは高くTmaxは短くなりやすい。徐放化、胃排出遅延、食事の影響などで吸収が遅くなると、AUCがほぼ同じでもCmaxが低下しTmaxが延長する場合がある。AUCは台形法などで推定し、終末相を外挿する場合は十分な採血時間が必要である。 CmaxとTmaxは消化管からの吸収速度だけでなく、吸収中にも進む分布・消失の影響を同時に受ける。終末相の推定が不十分だとAUC₀–∞の外挿割合が大きくなり、総曝露量の信頼性が低下する。
例
同じ有効成分の速放製剤と徐放製剤を比較すると、徐放製剤ではAUCが近くてもCmaxが低くTmaxが長くなることがある。生物学的同等性評価ではAUCとCmaxが主要指標となる。