定義
タンパク質のアミノ酸配列には立体構造を形成する基本情報が含まれるが、細胞内は分子が密集しており、折り畳み途中の疎水性領域が互いに結合して凝集しやすい。分子シャペロンは新生鎖や変性タンパク質へ一時的に結合し、正しい構造形成を助けるが、最終構造の設計図そのものではない。
イメージ
長い糸を決められた形へ折り畳む作業を、補助者が絡まりを防ぎながら進めると考える。うまく畳めないものは何度かやり直し、それでも修復できない場合は廃棄系へ送る。
仕組み
細胞質ではHsp70が新生鎖や露出した疎水性部位へ結合し、ATPの加水分解を利用して結合と解離を繰り返す。Hsp60系は隔離された空間で再折り畳みを助け、Hsp90は受容体やキナーゼなど多くの機能タンパク質の成熟を支える。小胞体ではBiP、カルネキシン、カルレティキュリン、タンパク質ジスルフィドイソメラーゼなどが分泌・膜タンパク質を品質管理する。修復不能なタンパク質はユビキチン化され、プロテアソームや小胞体関連分解へ送られる。異常タンパク質が蓄積すると小胞体ストレス応答が作動し、翻訳抑制、シャペロン誘導、分解促進を行う。
例
発熱や虚血ではタンパク質変性が増え、熱ショックタンパク質の発現が高まる。変異CFTRのように折り畳みが不十分なタンパク質は、機能を一部保っていても品質管理で分解され、細胞膜へ到達できないことがある。