定義
V(D)J再構成は、発生中のB細胞とT細胞が、抗原受容体遺伝子座に並ぶV、D、J遺伝子断片を体細胞DNAレベルで選択・連結し、一細胞ごとに異なる可変領域を作る過程である。遺伝子断片の選び方による組合せ多様性に加え、切断端の開き方、塩基の追加、削除による接合部多様性が、とくに抗原結合部CDR3の多様性を大きくする。
イメージ
受容体遺伝子を一つの完成品として受け継ぐのではなく、多数の部品箱からV、D、Jを選び、継ぎ目にも文字を加えたり削ったりして、一細胞だけの識別番号を作る仕組みである。
仕組み
RAG1とRAG2は再構成シグナル配列を認識し、12/23則に従って異なる間隔のシグナルを持つ遺伝子断片を対合・切断する。コード末端はヘアピン構造となり、ArtemisとDNA依存性タンパク質キナーゼ系が開口してPヌクレオチドを生じさせることがある。末端デオキシヌクレオチド転移酵素TdTは鋳型を使わずNヌクレオチドを付加し、エキソヌクレアーゼは末端塩基を削る。非相同末端結合系がコード結合部を完成させる。免疫グロブリン重鎖とT細胞受容体β鎖ではV-D-J再構成、免疫グロブリン軽鎖とT細胞受容体α鎖ではV-J再構成が行われる。読み枠が合わず非産生性となる再構成も多い。機能的受容体ができると、その信号が次の遺伝子座再構成を制御する。
例
生殖細胞系列に存在する遺伝子数をはるかに超えるB細胞受容体・T細胞受容体の多様性は、遺伝子断片選択、重鎖と軽鎖またはα鎖とβ鎖の組合せ、接合部多様性の積として生まれる。胎児期はTdT活性が低く、Nヌクレオチド付加が少ないため、受容体多様性の特徴が成人と異なる。