定義
充血は、局所の細動脈が拡張して酸素化血液の流入量が増える能動的過程である。うっ血は、静脈から血液が十分に流出できず、脱酸素血が組織へ貯留する受動的過程である。どちらも臓器内血液量を増やすが、原因と病理学的な結果は異なる。
イメージ
蛇口を大きく開いて水が多く入るのが充血、排水口が詰まって水がたまるのがうっ血である。前者では新しい酸素化血が増えるため赤く温かくなりやすい。後者では戻れない静脈血がたまり、青赤色、浮腫、低酸素へつながる。
仕組み
運動や炎症では、アデノシン、CO₂、H⁺、NOなどの作用で細動脈が拡張し、組織血流が増加する。活動中の組織で代謝需要に応じて起こるものを機能性充血、血流遮断を解除した後に一過性の血流増加が起こるものを反応性充血という。うっ血では静脈圧が上昇し、毛細血管静水圧上昇による浮腫、酸素供給低下、毛細血管破綻による微小出血が生じる。急性肺うっ血では肺胞毛細血管の拡張と肺水腫がみられ、慢性化するとヘモジデリンを貪食したマクロファージと肺胞隔壁の線維化が生じる。慢性肝うっ血では中心静脈周囲の低酸素性障害と出血が目立ち、赤褐色のうっ血部と比較的保たれた部が混在してナツメグ肝を呈することがある。
例
運動中の骨格筋が赤く温かくなるのは充血である。左心不全では肺静脈圧上昇から肺うっ血が生じ、右心不全では肝臓や下肢の静脈系にうっ血と浮腫が起こる。