定義
AMPKは、ATP低下に伴うAMP/ATP比・ADP/ATP比の上昇を感知して活性化されるセリン・スレオニンキナーゼである。急性には糖取込み・脂肪酸酸化などATP産生経路を促し、脂質・タンパク質・コレステロール合成などATP消費経路を抑える。長期には転写とミトコンドリア量も調節する。
イメージ
細胞内の省電力モードである。電池残量が低下すると、増築や貯蔵のような余裕のある仕事を止め、燃料を取り込み、発電し、不要物を再利用する方向へ資源を振り分ける。
仕組み
AMPKはα触媒、β足場、γヌクレオチド結合サブユニットからなる。AMP/ADPがγへ結合するとThr172の脱リン酸化が防がれ、LKB1によるリン酸化で活性化される。細胞内Ca²⁺上昇時にはCaMKK2もAMPKを活性化できる。AMPKはACCをリン酸化してマロニルCoAを下げ、脂肪酸酸化を促す。HMG-CoA還元酵素やmTORC1を抑え、ULK1を介してオートファジーを促進する。PGC-1αなどを通じてミトコンドリア適応にも関与する。
例
運動中の骨格筋ではATP需要増加によりAMPKが活性化し、GLUT4移行、脂肪酸酸化、ミトコンドリア適応を促す。低酸素・虚血でもエネルギー不足への代償として作動する。