定義
軸索初節は、軸索丘に続く近位軸索の特殊な領域であり、電位依存性Na⁺チャネル、K⁺チャネル、アンキリンG、βIVスペクトリンなどが高密度に集積する。樹状突起と細胞体へ入った段階的な電位変化を受け、比較的低い閾値で活動電位を開始する。また、軸索側と細胞体・樹状突起側の膜タンパク質を分ける拡散障壁として、神経細胞の極性維持にも関与する。
イメージ
ニューロン全体へ届いた多数の入力は、最終的に軸索初節という発射判定部へ集まる。ここには発火に必要なNa⁺チャネルが特に多いため、細胞体より少ない追加の脱分極で、自己増強的なNa⁺流入を始められる。
仕組み
軸索初節ではアンキリンGがNav1.6、Nav1.2、各種K⁺チャネル、細胞接着分子をアクチン–スペクトリン骨格へ固定する。細胞体と樹状突起で生じた興奮性・抑制性シナプス後電位は電気緊張性に軸索初節へ伝わり、膜電位が閾値を超えるとNa⁺電流が再生的に増加して活動電位が発生する。活動電位は遠位軸索へ順行性に伝わる一方、細胞体と樹状突起へも逆行する。軸索初節の位置、長さ、チャネル組成は活動量に応じて変化し、慢性的な過活動では細胞体から遠ざかったり短くなったりして興奮性を下げることがある。さらに、シャンデリア細胞の抑制性終末は軸索初節を選択的に支配し、発火開始を強く制御する。
例
同じ細胞体膜電位でも、軸索初節にあるNa⁺チャネルの密度が高いニューロンほど発火しやすい。神経回路の活動が長期間高い状態では、軸索初節が短縮したり細胞体から離れたりすることで、そこへ届く脱分極が小さくなり、発火しにくい方向へ調整される。