定義
殺菌作用は抗菌薬曝露により細菌が不可逆的に死滅し生菌数が減る作用、静菌作用は細胞分裂・増殖を抑えるが薬剤除去後に増殖再開可能な作用である。一般にMBCとMICの比やtime-kill assayで評価されるが、二分類は絶対的ではない。
イメージ
殺菌薬は敵の数を直接減らし、静菌薬は増援を止めて免疫系が片づける時間を作ると考える。ただし同じ薬でも相手と条件で役割が変わる。
仕組み
細胞壁合成阻害、膜障害、不可逆的DNA損傷などは殺菌性になりやすく、タンパク質合成の可逆的阻害は静菌性になりやすい。殺菌性は一定時間に3 log₁₀以上の生菌数減少などで実験的に定義されることがある。増殖速度、接種菌量、酸素、pH、栄養、バイオフィルム、薬剤濃度が結果を変える。静菌薬でも高濃度や特定菌種に殺菌的となり、殺菌薬でも休眠菌には効きにくい。宿主免疫が乏しい部位・患者では菌数低下の速度が重要となる。
例
βラクタム系は増殖中の多くの細菌に殺菌的に働くが、非増殖状態では効果が低い。マクロライド系は多くの場合静菌的だが、菌種・濃度で殺菌的作用を示すこともある。