定義
Ca²⁺誘発性Ca²⁺放出は、細胞膜Ca²⁺チャネルからの初期流入が小胞体・筋小胞体のリアノジン受容体を活性化し、貯蔵Ca²⁺を放出させる正の増幅機構である。心筋、神経、内分泌細胞などで重要で、局所的Ca²⁺ sparkから全細胞性Ca²⁺ transientまで階層的に構成される。
イメージ
小さな火花が貯蔵庫の扉を開き、大きな光へ広がる仕組みである。入口から入るCa²⁺は量そのものより「合図」として働き、内部貯蔵庫から主なCa²⁺が放出される。
仕組み
心筋ではL型Ca²⁺チャネルが開くと、dyad内の局所Ca²⁺濃度が上昇し、近接するRyR2が確率的に開く。複数RyR2からの放出はCa²⁺ sparkを形成し、多数のsparkが同期して細胞全体のCa²⁺ transientとなる。Ca²⁺はトロポニンCへ結合して収縮を起こし、SERCAとNa⁺/Ca²⁺交換体で除去される。小胞体内Ca²⁺量、RyRのリン酸化・酸化状態、隣接チャネルの結合性が放出量を決める。過剰な自発放出は遅延後脱分極の原因となり得る。
例
心室筋では活動電位第2相のL型Ca²⁺流入がCICRを起こし、収縮に必要なCa²⁺を供給する。交感神経刺激はCa²⁺流入と筋小胞体充填を増やし、次拍の放出と収縮を強める。