定義
ハプロ不全は、二つある遺伝子コピーの一方が機能を失ったとき、残る正常コピーの産物量では正常機能を維持できない状態である。ドミナントネガティブ効果は、変異タンパク質が正常タンパク質と複合体を作るなどして、正常アレル産物の機能まで阻害する状態である。
イメージ
ハプロ不全は作業員が半分になり生産量不足になる問題、ドミナントネガティブは不良部品が正常部品と組み合わさり、完成品全体を壊す問題と考える。
仕組み
ハプロ不全は転写因子、受容体、量依存性構造タンパク質などで、50%程度の発現が機能閾値を下回ると表現型が出る。欠失やnonsense-mediated decayを伴う変異で起こりやすい。ドミナントネガティブは二量体・多量体タンパク質、コラーゲン、チャネルなどで重要で、変異サブユニット混入により複合体の多くが不全となる。変異コピーの単純除去より重い表現型となり得る。機能獲得は新規・過剰活性を持つ別機序である。
例
三量体タンパク質で各サブユニットが正常・変異から無作為に選ばれると、正常三量体の割合は単純な50%より大きく低下し得る。転写因子の一方欠失では量不足によるハプロ不全が起こり得る。