定義
免疫刷り込みは、初回感染や初回ワクチン接種で形成された免疫記憶が、後に遭遇する類似抗原への応答量、標的部位、抗体の質を長期に偏らせる現象である。抗原原罪は、後から出会った変異抗原に新たに最適化するより、初回抗原へ反応する記憶クローンが優先的に再活性化されるため、新しい抗原決定基への応答が弱くなる可能性を強調した古典的概念である。
イメージ
免疫系は、新しい抗原を一から学ぶより、以前に学んだ似た抗原への記憶を呼び戻す方が速い。多くの場合は有利だが、似ていても重要な部分が変化した抗原では、古い型への反応に偏り、新しい弱点を狙うクローンが育ちにくくなることがある。
仕組み
再曝露時には記憶B細胞が未熟B細胞より多く存在し、活性化閾値も低く、T細胞からの援助を得やすい。保存された抗原決定基を認識する記憶B細胞は速やかに形質芽細胞へ分化して抗体を産生する。既存抗体は抗原の一部を覆い隠したり、免疫複合体を形成して抗原提示方法を変えたりする。胚中心へ再び入る記憶B細胞と、新たに動員される未熟B細胞の割合が、新しい特異性を獲得できるかを左右する。T細胞応答も、初回にHLA上へ提示されたペプチドへ偏ることがある。免疫刷り込みは常に不利ではなく、保存された防御的抗原決定基への反応を迅速化し、広い交差防御を与えることもある。結果は抗原間距離、抗原決定基の露出、抗体親和性、曝露順序、年齢、ワクチン設計によって変わる。
例
幼少期に経験したインフルエンザウイルス亜型への免疫記憶が、成人後に別の株へ感染した際にも優位な抗体応答を形成することがある。更新されたワクチンでも既存記憶が速やかに増強される一方、新しい変異部位に特異的な中和抗体の誘導が相対的に弱い場合がある。