定義
JAK–STAT経路は、固有のチロシンキナーゼ活性を持たないI型・II型サイトカイン受容体が、受容体会合性Janus kinaseを用いてSTAT転写因子を活性化する情報伝達である。免疫、造血、成長、抗ウイルス応答を担い、受容体サブユニットとJAK・STATの組合せが応答特異性を作る。
イメージ
受容体から核までの中継点が少ない直通回線と考えるとよい。サイトカインが受容体を寄せるとJAKがSTATへ「入場印」を付け、STATが二量体となって核へ入り、必要な遺伝子群をまとめて起動する。
仕組み
リガンド結合で受容体サブユニットが近接すると、結合しているJAK同士が相互リン酸化され、受容体細胞質尾部のチロシンをリン酸化する。STATはSH2ドメインでその部位へ結合し、JAKによりリン酸化される。リン酸化STATは二量体化して核へ移行し、標的DNA配列へ結合する。SOCSはJAKや受容体を阻害し、PIASや蛋白チロシンホスファターゼも信号を抑える。インターフェロン、エリスロポエチン、成長ホルモンなどで使われるが、利用するJAK・STATは異なる。
例
I型インターフェロンはJAK1とTYK2を介してSTAT1/STAT2を活性化し、抗ウイルス遺伝子を誘導する。エリスロポエチン受容体は主にJAK2–STAT5を用いて赤芽球系前駆細胞の生存と分化を支える。