定義
低酸素血症の5機序は、動脈血酸素分圧低下を生じる病態を、低吸入酸素分圧、肺胞低換気、拡散障害、換気血流比V/Q不均等、右左シャントに分類する枠組みである。肺胞気式、A–a酸素較差、酸素投与反応から原因を段階的に推定する。
イメージ
酸素が血液へ届かない理由を、入口の酸素が少ない、空気を入れ替えられない、膜を通れない、空気と血流が出会わない、肺を通らず迂回する、の五つに分ける。
仕組み
低吸入酸素と肺胞低換気ではPACO₂または吸入酸素の変化によりPAO₂自体が低下し、肺胞–毛細血管移行は保たれるためA–aDO₂は通常正常範囲である。拡散障害では膜厚・面積・通過時間が問題となり、運動時に悪化しやすい。V/Q不均等は最も一般的で、低V/Q領域からの低酸素血が混合されA–aDO₂が開大する。右左シャントでは換気されない血流または解剖学的短絡が動脈血へ混ざり、高濃度酸素への反応が乏しい。純粋な拡散障害とV/Q不均等は酸素投与で改善しやすい。
例
鎮静薬による中枢性低換気ではPaCO₂上昇とPaO₂低下がみられ、A–aDO₂は大きく開かない。肺炎性肺胞充満ではシャント様成分が増え、酸素反応が低下する。