定義
好中球細胞外トラップ、NETは、脱凝縮したDNA・ヒストン骨格にミエロペルオキシダーゼや好中球エラスターゼなどの顆粒タンパク質が結合した網状構造である。NET放出を伴う細胞応答はネトーシスと呼ばれるが、細胞溶解を伴う型と生存したまま放出する型がある。
イメージ
好中球が自分のDNAを粘着性の網として投げ、微生物を絡め取って抗菌タンパク質へさらす仕組みと考える。ただし網は宿主組織や凝固系にも触れるため副作用を持つ。
仕組み
刺激によりNADPHオキシダーゼ由来ROS、顆粒酵素、PAD4によるヒストンシトルリン化などがクロマチン脱凝縮へ関与する。核膜・細胞膜が破綻してNETを放出するsuicidalネトーシスは比較的遅く、ミトコンドリアDNAや小胞を使うvital NET releaseでは好中球機能が残ることがある。NETは細菌・真菌を局所に捕捉し、抗菌分子濃度を高める一方、ヒストン毒性、組織因子提示、血小板活性化、接触系活性化により免疫血栓と臓器障害を促す。DNaseが網を分解する。
例
重症感染ではNETが病原体封じ込めへ寄与するが、過剰なNETは微小血栓と内皮障害を増やす。自己免疫では修飾ヒストンやDNAが自己抗原源となり得る。