定義
Notchシグナルは、受容体Notchと隣接細胞上のDelta/Jaggedが直接接触することで活性化される接触依存性情報伝達である。受容体の段階的蛋白分解によりNotch細胞内領域が放出され、核内転写を変える。組織境界、側方抑制、幹細胞維持、血球分化に重要である。
イメージ
周囲の細胞から遠隔放送を受けるのではなく、隣の細胞と「握手」して進路を決める仕組みである。一方の細胞がある運命を選ぶと、隣へNotch信号を送り、同じ運命を選びにくくする側方抑制が典型である。
仕組み
Delta/JaggedがNotchへ結合すると、リガンド側の内在化が機械的張力を生み、Notch外部領域の切断部位を露出させる。ADAM proteaseによるS2切断後、γ-secretaseが膜内S3切断を行い、NICDを放出する。NICDは核へ入り、CSL/RBPJと共役因子を転写抑制状態から活性化状態へ切り替え、HES/HEY群などを誘導する。リガンドと受容体が同一細胞上で相互作用するcis抑制や、発現量の小差が増幅される性質がパターン形成に寄与する。
例
神経発生では神経系へ分化し始めた細胞が隣接細胞のNotchを活性化し、周囲を前駆細胞として維持する。胸腺ではNotch1がT細胞系への分化に重要である。