定義
浸透圧利尿は、濾過された後も尿細管内に残る溶質が水再吸収を妨げ、尿量と溶質排泄量を増やす状態である。水利尿は、主にADH分泌低下または集合管のADH反応性低下によって、溶質排泄量の大きな増加を伴わず自由水を多く排泄する状態である。
イメージ
浸透圧利尿では、尿細管内に水を連れていく荷物が多い。水利尿では荷物は多くないが、集合管の水回収扉が閉じている。どちらも多尿になるが、尿の濃さと一日に捨てる浸透圧物質量が異なる。
仕組み
浸透圧利尿では、グルコース、マンニトール、尿素、過剰なNaClなどが尿細管液の浸透圧を保ち、近位尿細管とHenle係蹄下行脚での水再吸収を減らす。尿流量増加は遠位部へのNa⁺到達とK⁺分泌を増やし、体液量減少を招くことがある。尿浸透圧は比較的高く、浸透圧物質排泄量が増える。水利尿では、血漿浸透圧低下によるADH抑制、原発性多飲、中枢性・腎性尿崩症などでAQP2の集合管膜への移動が減り、非常に薄い尿を排泄する。自由水クリアランスは正となる。実際には浸透圧利尿と水利尿が混在する場合もある。
例
未治療糖尿病で濾過グルコース量が再吸収最大量を超えると、尿糖と浸透圧利尿が起こり、多尿、脱水、K⁺喪失へ進む。大量飲水ではADHが抑制され、低浸透圧尿を排泄する水利尿となる。マンニトール投与後は尿量が増えても、尿が必ず低張になるわけではない。