定義
尿細管周囲毛細血管再吸収は、尿細管上皮を越えて腎間質へ移動した水と溶質が、尿細管周囲毛細血管のスターリング力によって血流へ戻る過程である。糸球体で濾過された血漿水が減るため、輸出細動脈血は蛋白濃度が高く、回収に適した条件を持つ。
イメージ
糸球体で水だけを濾した後の血液はタンパク質が濃くなり、スポンジのように間質の水を引き戻す。尿細管上皮が汲み出しただけでは再吸収は完了せず、毛細血管への回収が必要である。
仕組み
近位尿細管細胞はNa⁺を基底側へ汲み出し、溶質と水を側方細胞間隙・間質へ移す。輸出細動脈から続く毛細血管は、糸球体濾過により高い血漿膠質浸透圧を持ち、比較的低い静水圧を示すため、間質からの吸収が優位になる。濾過分画が上がると蛋白濃縮が強まり再吸収が増え、腎血流増加や輸出細動脈圧上昇で毛細血管静水圧が上がると再吸収が低下する。Ang IIは輸出細動脈収縮と近位輸送を通じて再吸収を促進し得る。
例
軽度の循環血液量低下ではAng IIと交感神経により近位Na⁺再吸収が増え、輸出細動脈後の膠質浸透圧上昇も毛細血管回収を支える。