定義
肺血管抵抗と肺気量の関係は、肺胞壁内の血管が肺胞膨張で圧迫される一方、肺胞外血管は肺実質から引かれて拡張するという反対の変化を合成したU字型を示す。総肺血管抵抗は通常、機能的残気量付近で最も低く、残気量側と全肺気量側の両方で上昇する。
イメージ
肺胞壁の中を走る毛細血管は、肺を大きく膨らませると押しつぶされる。一方、肺胞の外側にある動脈や静脈は、周囲組織に引っ張られて開く。肺が小さすぎると外側の血管が狭く、大きすぎると肺胞内血管が狭くなるため、中間の肺気量で全体抵抗が最も低くなる。
仕組み
肺胞毛細血管は肺胞隔壁内にあり、肺気量増加と肺胞内圧上昇によって扁平化・伸長され、抵抗が増える。肺胞外の動脈・静脈は、胸膜腔内圧低下と肺実質の放射状牽引によって経壁圧が増え、肺気量上昇時に拡張する。低肺気量では牽引力が弱く、肺胞外血管が狭窄または閉鎖しやすい。両者の抵抗の和がU字曲線を作る。肺血管抵抗はさらに、心拍出量による血管開通と拡張、低酸素性肺血管収縮、血液粘度、左房圧、人工呼吸条件に左右される。高いPEEPでは肺胞血管圧迫と静脈還流低下が重なり、右室後負荷を増やし得る。
例
低肺気量で無気肺が広がると、肺胞外血管の狭小化と低酸素性肺血管収縮が重なり、肺血管抵抗が上昇する。過剰なPEEPや肺過膨張では肺胞毛細血管の圧迫が強まり、右心負荷が増える。適度な肺胞リクルートメントは両者の均衡を改善する場合がある。