定義
腎アンモニア産生は、近位尿細管がグルタミンを代謝してNH₄⁺とHCO₃⁻を作る過程である。NH₄⁺は尿細管へ分泌・髄質へ蓄積され、集合管ではNH₃として拡散した後H⁺と結合しNH₄⁺として捕捉される。これは滴定酸と並ぶ正味酸排泄の主要機構である。
イメージ
揮発しやすいNH₃を管腔へ送り、そこでH⁺を受け取って膜を通りにくいNH₄⁺へ変え、尿中に閉じ込める「酸の梱包・封印」と考える。
仕組み
近位尿細管でグルタミナーゼとグルタミン酸脱水素酵素がグルタミンから2分子のNH₄⁺を生み、炭素骨格の代謝から2分子の新規HCO₃⁻を血中へ戻す。NH₄⁺はNa⁺/H⁺交換体でH⁺の代わりに分泌され、太い上行脚でK⁺の代わりにNKCC2へ入り髄質間質へ濃縮される。集合管ではNH₃がRhcg/Rhbgなどを介して管腔へ移動し、H⁺-ATPaseで分泌されたH⁺と結合してNH₄⁺となる。慢性アシドーシスでは酵素発現とグルタミン利用が増え、酸排泄能力が大きく上がる。
例
慢性代謝性アシドーシスでは尿pHが必ず極端に低くなくても、NH₄⁺排泄増加により大量の酸を排泄できる。高K血症はアンモニア産生を抑え、アシドーシスを悪化させ得る。