定義
単純拡散は、狭義には輸送担体やチャネルとの結合を介さず、物質が脂質二重層を濃度勾配に沿って通過する過程である。O₂、CO₂、ステロイドなどの脂溶性小分子が代表的である。広義の用語法では、開いた水性チャネルを介する受動移動まで含める場合がある。
イメージ
香水のにおいが部屋全体へ広がるように、分子のランダム運動の結果として多い側から少ない側へ正味移動が生じる。勾配がなくなると分子運動は続いても正味移動はゼロになる。
仕組み
拡散速度はFickの法則に従い、濃度差、膜面積、透過係数に比例し、膜厚に反比例する。脂質膜の透過性は脂溶性、非イオン型分画、分子サイズに左右される。荷電イオンは脂質二重層を直接通りにくく、通常はチャネルを必要とする。担体結合を必要としないため、狭義の単純拡散は担体飽和や競合を示さない。
例
肺胞から血液へのO₂移動や、血液から組織へのCO₂移動は主に単純拡散で進む。薬物では非イオン型で脂溶性の高い分子ほど細胞膜を通過しやすい。
注意点
「受動輸送」は単純拡散、チャネル輸送、促進拡散を含む上位概念であり、単純拡散と同義ではない。チャネルを単純拡散へ含めるかは教科書で異なるため、狭義・広義を明示する。平衡時にも分子運動は続く。
補足ノート
定義
単純拡散は、狭義には輸送担体やチャネルとの結合を介さず、物質が脂質二重層を濃度勾配に沿って通過する過程である。O₂、CO₂、ステロイドなどの脂溶性小分子が代表的である。広義の用語法では、開いた水性チャネルを介する受動移動まで含める場合がある。
イメージ
香水のにおいが部屋全体へ広がるように、分子のランダム運動の結果として多い側から少ない側へ正味移動が生じる。勾配がなくなると分子運動は続いても正味移動はゼロになる。