定義
濾胞性ヘルパーT細胞は、BCL6、CXCR5、PD-1、ICOSなどを発現し、B細胞濾胞と胚中心へ移動する特殊なCD4陽性T細胞である。B細胞が提示する抗原ペプチドをT細胞受容体で認識し、CD40L、IL-21、IL-4などを介して、抗体親和性に基づく選択、クラススイッチ、形質細胞・記憶B細胞への分化を調節する。
イメージ
B細胞は抗原を捕まえただけでは、長期に続く高品質な抗体応答へ進みにくい。同じ抗原由来ペプチドを認識する濾胞性ヘルパーT細胞から承認信号を受ける必要がある。抗原を多く取り込んで提示できるB細胞ほど援助を得やすく、選択されやすい。
仕組み
未熟CD4陽性T細胞は樹状細胞による初期活性化後、ICOS、IL-6、IL-21、STAT3、BCL6などの作用で濾胞性ヘルパーT細胞へ分化する。CXCR5を増やしCCR7を減らすことでT細胞領域とB細胞濾胞の境界、さらに胚中心へ移動する。B細胞との抗原特異的な反復接触がこの性質を安定化する。T細胞受容体がB細胞のMHCクラスII上のペプチドを認識すると、CD40L–CD40結合がAID発現とB細胞生存を促す。IL-21は増殖と形質細胞分化に、IL-4は抗体クラス選択などに作用する。得られる援助量はB細胞受容体親和性だけでなく、抗原取り込み量、提示ペプチド量、T細胞数、共刺激にも左右される。濾胞性制御性T細胞は過剰応答と自己反応性を抑える。援助は有無だけでなく量的に与えられ、暗調帯への再移行と形質細胞・記憶細胞への分化を分ける。
例
タンパク質ワクチンに対する高品質な中和抗体形成には、濾胞性ヘルパーT細胞が重要である。CD40L欠損ではB細胞が十分な援助を受けられず、クラススイッチと胚中心形成が障害される。慢性感染でこのT細胞が増えていても、援助の質やB細胞側の機能低下により有効な抗体が作られない場合がある。