定義
前庭動眼反射、VORは、半規管・耳石器が検出した頭部運動に応じ、外眼筋を駆動して眼球を反対方向へ動かし、視線を空間内の目標へ固定する反射である。暗所や急速運動でも働き、小脳により利得が適応する。
イメージ
カメラを動かしても手ぶれ補正装置がレンズを逆方向へ動かし、画像を静止させるのと同じである。頭が右へ回れば眼は左へ動く。
仕組み
右回転では右水平半規管の内リンパ慣性により右前庭神経発火が増え、左が減る。右前庭神経核から左外転神経核が興奮し、左外直筋と内側縦束を介する右動眼神経核・右内直筋が収縮する。拮抗筋は抑制される。眼球が可動範囲へ達すると急速相でリセットされ、持続回転中の眼振を形成する。VOR利得は眼球速度/頭部速度で、通常は約1に近く、片葉・前庭小脳が視覚誤差に応じて調節する。
例
頭を急に右へ回したとき、正常では眼球が目標を保つ。右前庭機能が低下すると眼が頭と一緒に右へずれ、左向きの補正サッカードが生じる。