医師国家試験対策を、5年生から試験直前までの時期別に整理します。過去問・QB・模試・卒試をどう組み合わせ、必修・一般臨床を安定して仕上げるかを具体的に解説します。
医学部CBT対策を、開始時期、教材の役割、科目の優先順位、1日の回し方、模試後の復習まで順番に整理します。範囲の広さに振り回されず、合格ラインを安定して超えるための実践ガイドです。
医学部CBTに落ちた人のその後を、再試験、留年、臨床実習、メンタル、勉強法の立て直しに分けて解説。再起するための具体策をまとめます。
医学部CBTで落ちる人の特徴を、勉強開始の遅れ、問題演習不足、基礎医学の穴、直前期の失敗、メンタル面まで整理。再試験・留年を避けるための立て直し方を解説します。
「CBTはみんな受かる」と聞いて、なんとなく後回しにしていませんか。
たしかに医学部CBTは、医師国家試験のように大きく報道される試験ではありません。しかし、CBTは臨床実習に入る前の知識を評価する共用試験であり、厚生労働省も令和5年4月から公的化された共用試験として位置づけています。CATOのガイドブックでも、CBTは臨床実習に必要な知識の総合的理解をコンピュータで客観的に評価する試験と説明されています。
出典:厚生労働省 共用試験(医学)、CATO 共用試験ガイドブック第23版
令和5年度の実施状況では、CBTは9,371名が受験し、不到達259名、不到達率2.8%でした。数字だけを見ると少なく見えますが、落ちる側に入った瞬間、再試験、臨床実習開始の遅れ、進級判定、メンタル面に大きく影響します。
出典:令和5年度 共用試験の実施状況
この記事では、CBTで落ちる人の特徴を「性格」ではなく「修正できる行動」として分解します。
CBTで落ちやすい人の典型は、大学の臨床医学の学科試験をそのままCBT対策だと思ってしまうことです。
大学試験は、講義担当者のクセ、過去問、細かいレジュメ、局所的な出題に寄りやすいです。一方、CBTはモデル・コア・カリキュラムやCATOの出題基準に沿って、臨床実習前に必要な知識を広く問う試験です。CATOの令和7年度版出題基準でも、モデル・コアを踏まえつつ、CBT問題作成のために評価目標を明確化したと説明されています。
出典:CATO CBT出題基準(令和7年度版)
大学試験に受かっているのにCBT模試で伸びない人は、勉強量ではなく「試験の型」がズレています。
CBTは、読む試験ではなく、取り出す試験です。教科書や講義資料を読んで理解したつもりでも、選択肢を見た瞬間に迷うなら、知識はまだ点数化されていません。
健康専門職教育の系統的レビューでは、分散学習と想起練習は成績改善に有効で、56研究・63実験中43実験で有意な利益が示されています。つまり、「読む」より「思い出す」学習が重要です。
出典:Trumble et al. 系統的レビュー
CBTで落ちる人は、問題演習を「仕上げ」に置きます。受かる人は、問題演習を「勉強の中心」に置きます。
CBTは臨床医学だけの試験ではありません。CATOの出題基準では、基礎医学領域、社会医学領域、臨床医学領域が整理され、特に基礎医学的要素の強い病態生理・解剖領域の重要性も示されています。
出典:CATO CBT出題基準
臨床問題で迷う原因は、疾患名を知らないことではなく、解剖・生理・病理・薬理がつながっていないことです。
例として、心不全なら前負荷・後負荷、RAA系、心筋リモデリング、利尿薬、ACE阻害薬まで一続きで説明できる必要があります。ここが曖昧だと、選択肢を2つまで絞れても最後に落とします。
CATOガイドブックでは、CBTは7ブロック構成で、ブロック1〜6に合計320設問が出題され、ブロック7はアンケートと説明されています。さらにブロック5・6では、多選択肢形式や順次解答形式が含まれます。
出典:CATO 共用試験ガイドブック第23版
CBTで危ない人ほど、通常の5肢択一だけを回します。しかし、本番では鑑別診断や臨床推論の流れに耐える力が必要です。直前期に「知識はあるのに点が伸びない」人は、形式慣れ不足を疑ってください。
CBTでは、受験者ごとに異なる問題セットが出題されます。CATOは、項目反応理論(IRT)に関する資料を公開しており、CBTの成績評価では単純な正答数だけではなく、問題特性を踏まえた評価が重要になります。
出典:CATO CBTにおける成績評価
模試や問題集でも、正答率だけ見る人は伸びにくいです。大切なのは、間違えた理由です。
知らなかった
覚えていたが取り出せなかった
選択肢比較で負けた
病態がつながっていなかった
時間配分をミスした
この分類をしないと、同じ間違いを何度も繰り返します。
一夜漬けで短期記憶に詰め込んでも、CBTのような広範囲試験では崩れやすいです。医療教育におけるspaced repetitionのメタ解析でも、標準的な学習法より客観試験成績で良好な結果が示されています。
出典:Spaced repetition in medical education
CBTで危ない人は、同じ日に同じ範囲を長く読みます。受かる人は、翌日・3日後・7日後に短く思い出します。
CBTが危ない人ほど、模試の成績や勉強状況を隠します。しかし、再試験や留年リスクがある試験では、早い相談が最短ルートです。
つらさが強い、眠れない、食欲が落ちる、勉強を始めると動悸がする場合は、学年担当、チューター、学生相談、保健管理センターに早めにつないでください。厚生労働省も、若者向けに学校の先生やスクールカウンセラー、公的窓口への相談を案内しています。
出典:こころもメンテしよう
問題演習を毎日入れている
1問ごとに「なぜ違うか」を説明している
基礎医学の穴を臨床問題で確認している
ブロック5・6形式に触れている
復習日を翌日・3日後・7日後で組んでいる
模試結果を放置していない
危ない時点で誰かに相談している
CBTで落ちる人の特徴は、能力不足ではなく、試験の構造に合っていない勉強を続けていることです。
CBTは広く、長く、受験者ごとに問題セットが異なる試験です。だからこそ、読み込み型の勉強ではなく、問題演習、想起、分散復習、弱点分類を中心に変える必要があります。
今日からやるべきことは、教材を増やすことではありません。今解いている1問を、「次に点が取れる知識」に変えることです。
※本記事は以下の公開情報・研究資料をもとに作成しています。
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
都内私立大学医学部卒業。現在は都内基幹病院にて初期研修中。学生時代はCBT・国試対策に注力し、学習法に関する情報発信にも関心を持つ。
CBT再試験で落ちる医学生に共通する原因と、1週間で立て直す具体的勉強法を解説。暗記ではなく想起・問題演習・復習設計で合格ラインに近づく方法を、公式資料と学習科学にもとづいてまとめました。