関連図の「カンニング」術|看護実習で疾患別の関連図をゼロから書かないテンプレ活用法と参考資料の探し方


看護学生1年生・新入生が入学直後にやるべきことを、優先科目、4月から6月の勉強スケジュール、1日30分の学習メニューまで具体的に解説。実習につながる基礎の作り方も整理します。
看護学生がChatGPTを安全かつ賢く使う方法を解説。関連図のヒント出し、アセスメントの壁打ち、実習準備、看護計画の下書き、国試対策まで、やっていい使い方・NG例・そのまま使えるプロンプトをまとめました。
看護学生向けに、ChatGPT・Claude・NotebookLM・Perplexity・Copilotの違いを比較。関連図、アセスメント、実習準備、レポート、国試対策、文献検索など、用途別に最適なAIをわかりやすく整理しました。
関連図が白紙のまま進まない看護学生向けに、疾患別の関連図をゼロから書かないテンプレ活用法を解説。病態・症状・治療・看護問題を最短で整理する型、参考資料の探し方、やってはいけないNG例までまとめました。
「関連図が真っ白で進まない」
「疾患ごとに毎回ゼロから書いていて、時間だけが消える」
「参考資料を見ても、どこを写してどこを患者情報で変えるべきか分からない」
看護実習で関連図に苦しむ学生はかなり多いです。実際、看護学生は看護過程のアセスメントで、観察すること、必要な情報を見極めて取捨選択すること、データに裏づけられた個別性のあるアセスメントを行うことに困難を感じていました。[6] 関連図を活用した実習には、論理的思考の強化、対象理解、情報整理統合を促す効果がある一方で、描き方の難しさや修正の繰り返し、情報収集・整理の難しさも報告されています。[4][5]
だからこそ必要なのは、毎回ゼロから書く根性ではなく、再利用できる骨格を持つことです。
この記事でいう「カンニング術」は、丸写しのことではありません。
疾患別の関連図を“骨格だけ借りて”、患者情報で上書きする合法的ショートカットのことです。
文部科学省の看護学教育モデル・コア・カリキュラムでは、看護過程において対象理解の基盤となる包括的アセスメントが重視され、近年の改訂では臨床推論・臨床判断も重要項目として明示されています。[1] 厚生労働省の看護師等養成所の指導ガイドラインでも、看護記録は患者の症状、観察事項、患者の反応を中心に、看護の過程(計画・実施・実施後の評価)を正確に記録するものとされています。[2] つまり、完成させるべきなのは“疾患の図”ではなく、“その患者の看護過程が見える図”です。
この記事では、看護学生向けに、
関連図をゼロから書かないためのテンプレ
疾患別に使い回せる「病態ブロック」
参考資料の探し方
短時間で下書きを作る流れ
やってはいけないNG例
を、実習でそのまま使える形でまとめます。
先に結論だけまとめます。
関連図は、病名ごとに毎回作り直すのではなく、病態の型でテンプレ化する
テンプレは「病態生理」「症状・検査」「治療」「患者背景」「看護問題」の5層で作る
参考資料は、教科書 → 図書館OPAC → 最新看護索引Web → Mindsガイドライン → PMDAの順で探すと速い
丸写しはNGだが、骨格を流用して患者情報で上書きするのは最も合理的
関連図の目的は、きれいに埋めることではなく、個別性のあるアセスメントと看護問題の抽出にある
最初に誤解を防いでおきます。
先輩の関連図をそのまま写す
ネット上の疾患別関連図を、そのまま提出する
患者の症状・背景・検査値を見ずに、病名だけで図を埋める
疾患ごとの病態の骨格をテンプレ化して持っておく
参考図から矢印の流れだけを学ぶ
そこに受け持ち患者の情報を入れて個別化する
教員の指定様式や実習先のルールに合わせて再構成する
看護学教育モデル・コア・カリキュラムが示すように、看護過程では包括的アセスメントが対象理解の基盤であり、そのうえで問題解決能力と臨床スキルを用いて看護を提供します。[1] つまり、テンプレは出発点としては有効ですが、最終的に患者情報で上書きされていない関連図は、看護過程として弱いということです。
関連図が難しいのは、あなたの努力が足りないからではありません。
順天堂大学の研究では、看護学生は看護過程のアセスメント段階で、必要なデータの取捨選択や、データに裏づけられた個別性あるアセスメントに困難を感じていました。[6] さらに、看護・病態関連図の作成支援研究でも、初学者は「どこがゴールで、何が正解か分からない」状態に陥りやすいことが指摘されています。[13]
つまり関連図が難しい理由は、主にこの3つです。
情報量が多すぎる
病態、症状、検査、治療、生活背景、心理、家族、看護問題が一気に押し寄せる
正解が1つではない
同じ疾患でも、患者によって症状・検査・ADL・心理・家庭環境が違う
病名だけでは書けない
関連図は疾患の説明図ではなく、その患者の看護過程を展開するための図だから
だから、最初から完璧な関連図を目指すと止まります。
必要なのは、書き始める順番を固定するテンプレです。
関連図をゼロから書かないために、一番おすすめなのは「5層テンプレ」です。
原疾患・既往・誘因
病態生理
症状・検査・治療
患者背景・生活への影響
看護問題・観察・ケア・指導
この順番で書くと、A4の白紙がかなり埋めやすくなります。
ここには、病気が起きた背景を書きます。
主疾患名
既往歴
危険因子
増悪因子
発症/入院/術後の状況
例:
心不全なら
高血圧、虚血性心疾患、弁膜症、塩分過多、服薬不良 など
肺炎なら
高齢、嚥下機能低下、喫煙、基礎疾患、ADL低下 など
ここが関連図の骨格です。
病態の「原因→変化→結果」を矢印でつなぎます。
例:心不全
心機能低下 → 心拍出量低下 → 腎血流低下 → 水分貯留 → 浮腫・体重増加
心機能低下 → 左心系うっ血 → 肺うっ血 → 呼吸困難・起座呼吸
例:肺炎
感染 → 炎症 → 肺胞内浸出液 → ガス交換障害 → 低酸素 → 呼吸苦・SpO2低下
ここは教科書・ガイドライン・病態生理の本で確認する部分です。
Mindsガイドラインライブラリでは、質の高い診療ガイドラインや解説を無料で閲覧でき、部位・疾患・トピックから検索できます。[9]
病態の右側に、実際に見えているデータを置きます。
主症状
バイタル
血液検査
画像
治療
薬剤
処置/デバイス
この層を入れると、「病態」と「患者の現実」がつながります。
例:心不全
呼吸困難、浮腫、BNP上昇、胸部X線の心拡大、利尿薬、塩分制限
例:肺炎
発熱、咳嗽、喀痰、CRP上昇、浸潤影、抗菌薬、酸素投与
薬剤を入れるときは、一般的な副作用や注意点を確認するためにPMDAの「医療用医薬品添付文書等情報検索」が便利です。公開された添付文書の記載内容から検索できます。[10]
ここで“患者らしさ”を入れます。
この層がないと、関連図が疾患の説明だけで終わります。
年齢
ADL
食事/排泄/睡眠
認知機能
家族構成
仕事
退院先
不安や価値観
セルフケア能力
例:
「独居で内服管理が不安」
「息切れでトイレ歩行がつらい」
「術後疼痛で離床が進まない」
「嚥下機能低下があり誤嚥リスクが高い」
厚労省の指導ガイドラインが看護記録で重視しているのは、患者の症状、観察事項、患者の反応を中心とした看護の過程です。[2] つまり、病気そのものより、病気が患者の生活にどう表れているかが重要です。
最後に、看護として何を見るか、何をするかを置きます。
看護問題
リスク
観察項目
ケア
指導
例:心不全
看護問題:呼吸困難、活動耐容低下、体液貯留、不安
観察:SpO2、呼吸数、体重、尿量、浮腫、睡眠
ケア:安楽な体位、活動調整、塩分・水分管理支援
指導:内服、体重測定、増悪徴候の早期受診
この層までつながると、関連図は「提出物」から「看護計画の下書き」に変わります。
毎回「疾患名ベース」で覚えるより、病態ブロックで持っておくと流用しやすいです。
使いやすい疾患:
肺炎
COPD
喘息
心不全
術後無気肺
基本の流れ:
炎症/換気障害/うっ血 → ガス交換障害 → 低酸素 → 呼吸困難・頻呼吸・活動耐容低下 → 不安・睡眠障害・セルフケア低下
見に行く項目:
SpO2、呼吸数、呼吸音、痰、体位、睡眠、ADL
使いやすい疾患:
心不全
腎不全
肝硬変
ネフローゼ症候群
基本の流れ:
循環/腎機能低下 → 水分・Na貯留 → 浮腫・体重増加・胸水/腹水 → 呼吸苦・移動困難・皮膚トラブル
見に行く項目:
体重、浮腫、尿量、呼吸状態、皮膚状態、食事/水分摂取
使いやすい疾患:
肺炎
腸炎
創感染
尿路感染症
基本の流れ:
感染 → 炎症 → 発熱・疼痛・食欲低下・脱水傾向 → ADL低下・睡眠障害・不安
見に行く項目:
体温、WBC/CRP、疼痛、摂食、尿量、睡眠、活動量
使いやすい疾患:
糖尿病
DKA
高浸透圧高血糖症候群
基本の流れ:
インスリン作用不足 → 高血糖 → 多尿・口渇・脱水 → 倦怠感・感染リスク・創傷治癒遅延
治療が入れば、低血糖リスクや自己管理も追加
見に行く項目:
血糖、食事、内服/注射、低血糖症状、足病変、セルフケア能力
使いやすい疾患:
脳梗塞
パーキンソン病
せん妄
認知症
基本の流れ:
神経機能障害 → 運動/感覚/認知/嚥下の障害 → ADL低下・転倒・誤嚥・コミュニケーション障害 → 不安・家族負担
見に行く項目:
意識、麻痺、嚥下、転倒リスク、トイレ動作、家族支援
使いやすい疾患:
全身麻酔術後
開腹/開胸術後
整形外科術後
基本の流れ:
手術侵襲・麻酔・疼痛・ドレーン → 呼吸抑制/循環変動/離床遅延/便秘/感染リスク → ADL低下・不安
見に行く項目:
疼痛、創部、ドレーン、離床、排泄、呼吸状態、睡眠
この「病態ブロック」を持っておくと、疾患が違ってもかなり流用できます。
つまり、覚えるべきは100個の関連図ではなく、10個前後の骨格です。
関連図づくりは、資料探しでかなり差がつきます。
おすすめは次の順番です。
最初の目的は、正解を探すことではなく、何が原因で何が結果かをつかむことです。
この段階では、学校指定の教科書や講義資料が最も速いです。
関連図や看護過程の本を買い足す前に、まず図書館で探すのが効率的です。
日本看護協会図書館のOPACでは図書と雑誌の所蔵検索ができ、看護分野および周辺領域の資料を多数収集しています。[7]
「心不全 看護過程」
「肺炎 病態関連図」
「脳梗塞 関連図」
「術後 看護計画」
「糖尿病 看護過程」
図書館OPACで探すときは、「疾患名 + 看護過程」「疾患名 + 病態関連図」「症状名 + 看護」でかなり当たりやすいです。
日本看護協会図書館の「最新看護索引」は、国内発行の看護および周辺領域の雑誌・紀要などから、看護の実践・研究・教育に関する文献を集めたデータベースです。[8] 医学中央雑誌刊行会の案内でも、日本看護協会図書館編集の看護分野に特化したデータベースと説明されています。[9]
看護学生が関連図づくりで探したいのは、疾患そのものだけでなく、
どんな観察項目を見ているか
どんな生活上の問題が出やすいか
どんな指導や家族支援が必要か
なので、看護文献のデータベースが強いです。
「心不全 AND 退院指導」
「誤嚥性肺炎 AND 嚥下」
「脳梗塞 AND 転倒」
「糖尿病 AND セルフケア」
「術後 AND 疼痛 AND 離床」
日本看護協会図書館のページでは、看護学生や看護職向けにMyLibrary利用登録や文献検索動画も案内されています。[8]
Mindsガイドラインライブラリは、科学的根拠に基づいて作成され、評価・選定を経て掲載された診療ガイドラインや解説を無料で閲覧できるサイトです。[9] 疾患別・部位別・トピック別に探せるので、病態や検査の流れを確認したいときにかなり便利です。
診断の流れ
主要症状
重症度
検査
標準治療
合併症
ここで病態の筋を確認すると、関連図の矢印がかなり安定します。
薬の副作用や禁忌、観察ポイントが関連図に入る疾患は多いです。
PMDAの「医療用医薬品 添付文書等情報検索」では、添付文書が公開されている品目について、一般名や販売名から検索できます。[10]
効能・効果
用法・用量
重大な副作用
禁忌
注意すべき観察項目
例:
フロセミド → 低K血症、脱水
インスリン → 低血糖
抗凝固薬 → 出血リスク
必要ならPubMedも使えます。PubMedはNLM/NIHが提供する無料の文献検索リソースで、4,000万件超の生物医学文献の引用・抄録を収載しています。[11]
ただし、関連図づくりで最初からPubMedに行く必要はあまりありません。
おすすめの順番は、
教科書 → 看護文献 → ガイドライン → 添付文書 → 必要ならPubMed
です。
時間がないときは、この順番で十分です。
年齢
主疾患
入院理由
術後何日目か
キーとなる症状
ADL
家族/退院先
原因
病態
主要症状
代表的検査
治療
ここでは完璧を目指さず、まず1本の流れを作る
食事
呼吸
排泄
清潔
活動
睡眠
不安
セルフケア
今いちばん優先度が高い問題
合併症/リスク
退院後に影響する問題
何を観察するか
何をケアするか
何を指導するか
この方法なら、最初の白紙突破がかなり速くなります。
疾患の説明図になっていて、患者の生活や看護問題につながっていないパターンです。
年齢、ADL、独居、不安などを書いただけで、どの看護問題に関係するかがつながっていないと弱いです。
薬剤、処置、看護介入は色や囲みを分けると見やすくなります。
関連図は情報の倉庫ではなく、因果関係を見える化する道具です。
書かない情報があっても大丈夫です。
提出物としても危険ですが、何より自分が病態を説明できるようになりません。
中央に患者名・主疾患・病期を書く
左に原因・既往・誘因
上に病態生理
右に症状・検査・治療
下に生活影響・看護問題・観察/ケア/指導
さらに、色を分けると整理しやすいです。
赤:病態生理
青:治療・薬剤
緑:看護問題・ケア
黒:患者情報
関連図は芸術作品ではありません。
線がきれいかより、因果関係が追えるかのほうが大事です。
関連図を毎回ゼロから書く必要はありません。
最短ルートは、
病態の骨格をテンプレ化する
病態ブロックで流用する
参考資料を正しい順番で探す
患者情報で上書きする
この4ステップです。
関連図の本当の目的は、白紙を埋めることではなく、患者の全体像を整理し、個別性のある看護問題を導くことです。関連図やコンセプトマップは、看護教育における成績、批判的思考、意思決定の向上に役立つ可能性が示されており、日本の看護実習研究でも、論理的思考の強化や情報整理統合への効果が報告されています。[3][4][5]
だからこそ、効率化していい部分は効率化して大丈夫です。
ゼロから根性で書くのではなく、骨格を借りて、患者に合わせて考える時間を増やす。
それが、関連図のいちばん賢い「カンニング術」です。
ズルではありません。丸写しはNGですが、病態の骨格や矢印の流れをテンプレとして持っておくのは合理的です。最終的に患者情報で上書きできていれば、むしろ看護過程が整理しやすくなります。
ありません。覚えるべきは、疾患名ごとの完成形ではなく、「酸素化低下」「体液貯留」「感染・炎症」などの病態ブロックです。
参考にするのはOKです。ただし、情報の正確さと更新時期には差があります。病態や治療の裏取りはMinds、薬剤はPMDA、看護文献は最新看護索引Webや図書館資料で確認するのが安全です。[8][9][10]
最初は「病態生理」です。病態の矢印が見えないまま観察項目や看護問題だけを書こうとすると、関連図がばらけます。
情報を全部入れようとしすぎている可能性があります。まずは5層テンプレで骨格を作り、優先度の高い問題だけをつなげてください。
[1] 文部科学省. 看護学教育モデル・コア・カリキュラム(令和6年度改訂版)(https://www.mext.go.jp/content/20250317mxtigaku-000040938_1.pdf)
[2] 厚生労働省. 看護師等養成所の運営に関する指導ガイドライン(2025年4月1日適用版)(https://www.mhlw.go.jp/kangokyouiku/file/nursingtrainingguidelines2025022520250401.pdf)
[3] Faraji A, et al. Concept mapping teaching method and nursing education: a systematic review and meta-analysis(https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12121093/)
[4] 薬師神裕子. 関連図を活用した小児看護学実習の学習効果. 日本小児看護学会誌(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jschn/15/2/15KJ00005811103/article/-char/ja)
[5] 杉崎一美, 小河育恵. 成人看護学実習(急性期)における関連図活用の学習効果(https://cir.nii.ac.jp/crid/1050564287447284608)
[6] 齋藤雪絵, 野崎真奈美. 看護学生の看護過程におけるアセスメントの現状と困難(https://www.jstage.jst.go.jp/article/jhcn/20/1/2019/article/-char/ja)
[7] 日本看護協会. 図書館の資料を探す(OPAC)(https://www.nurse.or.jp/nursing/library/shozo/index.html)
[8] 日本看護協会. 文献の活用について知る / 文献を探す(最新看護索引)(https://www.nurse.or.jp/nursing/library/learning)(https://www.nurse.or.jp/nursing/library/sakuin/index.html)
医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。