定義と計算
HOMA-IRは、空腹時の血糖とインスリンの関係を用いてインスリン抵抗性を推定するモデル由来の指標です。血糖をmg/dL、インスリンをμU/mLで表す場合、一般的な式は「空腹時血糖×空腹時インスリン÷405」です。血糖をmmol/Lで表す式では分母が22.5となり、単位を混ぜてはいけません。
計算例
空腹時血糖100 mg/dL、空腹時インスリン8 μU/mLなら、100×8÷405で約1.98です。これはモデルによる推定値であり、糖尿病の診断や薬剤選択がこの一値だけで決まるわけではありません。基準値や判断の境界は対象集団、測定法、目的によって異なります。
使う条件
空腹時の比較的安定した状態を前提とします。食後、急性疾患、著しい高血糖、インスリン分泌が大きく低下した状態などでは、モデルの前提が崩れやすくなります。インスリン治療中の値も、測定への影響を含め慎重に扱います。腎機能など、インスリンの代謝に影響する条件も確認します。
抵抗性と分泌能を分ける
インスリン抵抗性があっても、分泌が十分に増やせない人ではインスリン値が高くならない場合があります。低いHOMA-IRを直ちに正常な代謝とみなさず、血糖、分泌能、体格、病歴などを合わせます。分泌能と抵抗性は異なる観点です。
学習上の要点
式を覚えたら、空腹時という条件と単位を先に書きます。数値を計算する問題と、患者で使えるかを判断する問題は分けて考えてください。研究や臨床で、より直接的な方法と同じものとして扱わないことも大切です。
参考資料
Matthewsほか「Homeostasis model assessment」Diabetologia 1985 原著