定義
R比は「ALT÷ALTの基準上限」を「ALP÷ALPの基準上限」で割った値です。検査値の生の数値を割る式ではありません。薬物性肝障害などで、肝細胞障害型、胆汁うっ滞型、混合型というパターンを整理する際に用いられます。
分類の目安
一般的にRが5以上なら肝細胞障害型、2以下なら胆汁うっ滞型、2より大きく5未満なら混合型として整理します。対象となる肝障害の検査条件や採血時点なども確認します。境界値だけで病名、原因薬、重症度を確定するものではありません。
計算例
ALT 300 U/L、ALT基準上限30 U/Lなら10倍です。ALP 240 U/L、ALP基準上限120 U/Lなら2倍です。Rは10÷2で5となり、肝細胞障害型を支持します。300÷240という計算ではありません。施設の測定法と基準上限を用い、異なる測定系の値を混ぜないようにします。
解釈の限界
ALPは骨など肝胆道以外の由来でも増えます。γ-GT、症状、画像などを合わせて、肝胆道由来として解釈できるか確認します。経過でパターンが変わる場合もあるため、どの時点の値から計算したかを記録します。
次に考えること
パターンを整理した後は、薬歴と時間関係、ウイルス性肝炎、自己免疫性疾患、胆道閉塞などを検討します。重症度は意識、PT、ビリルビン、循環など別の情報で評価します。R比が高いことを、そのまま肝の合成能が低いという意味にしないでください。