定義
SAAGは「血清アルブミン−腹水アルブミン」で求めます。同じ時期に採取した検体を使い、両者の単位をそろえます。腹水の蛋白量だけで漏出性・滲出性に分ける方法とは異なる視点から、腹水の成因を考えます。
解釈
1.1 g/dL以上では、門脈圧亢進が腹水の成因に関わることを支持します。肝硬変のほか、心不全などでも高値となる場合があります。1.1 g/dL未満では、腹膜の疾患など他の成因を考えますが、一つの境界値だけで原因を断定しません。腹水総蛋白、画像、病歴、循環の所見も合わせます。
計算例
血清アルブミン2.8 g/dL、腹水アルブミン0.9 g/dLなら、SAAGは1.9 g/dLです。腹水のアルブミンが低いからといって、その値だけで肝硬変と確定しません。血清との差を計算し、他の検査と統合します。
感染とは別の問い
SAAGは腹水の感染を検出する指標ではありません。肝硬変でSAAGが高くても、特発性細菌性腹膜炎は起こり得ます。発熱、腹痛、意識変容、腎機能悪化などがあれば、腹水中の好中球数や培養などを別に評価します。
学習上の要点
式と一緒に「門脈圧の関与を考える」「肝硬変に特有ではない」「感染は別に評価する」を記録します。腹水の生成機序と循環・腎の反応を関連付けると、計算の意味が分かりやすくなります。
参考資料
Runyonほか「The serum-ascites albumin gradient is superior to the exudate-transudate concept」1992 原著