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低カルシウム血症は、血清補正Ca濃度が8.5mg/dL未満の状態であり、神経や筋肉の興奮性が異常亢進し「テタニー(手足のしびれ、痙攣)」を引き起こす。Chvostek徴候やTrousseau徴候が特徴的で、心電図ではQT延長をきたす。
神経筋症状(テタニー):口周囲や手指のしびれ・ピリピリ感、筋痙攣(助産婦の手)、重症例では全身けいれんや喉頭痙攣(呼吸困難)。
精神症状:抑うつ、不安、いらいら感。
慢性症状:白内障、大脳基底核の石灰化。
心血管症状:心電図異常(QT延長、ST延長)。
初期評価:血清Ca<8.5mg/dL。必ず血清アルブミン値を確認し『補正Ca値』を算出する。
検査:テタニー誘発テスト(Chvostek徴候、Trousseau徴候)。鑑別のために『インタクトPTH』『血清リン(P)』『活性型ビタミンD』『血清マグネシウム』を測定する。心電図検査(QT延長)。
急性期・有症状(重症テタニー、けいれん等):直ちに『8.5%グルコン酸カルシウムまたは塩化カルシウム』をブドウ糖液で希釈し、ゆっくりと静注する。
慢性期・無症状:原疾患の治療。経口カルシウム剤や『活性型ビタミンD製剤(アルファカルシドールなど)』を内服し、血清Caを正常下限付近に維持する(高Ca血症・高尿カルチウム尿症による尿路結石に注意する)。
病態
副甲状腺機能低下症(PTH不足)、ビタミンD欠乏・代謝異常、慢性腎不全(高リン血症によるCaの沈殿・再吸収低下)、低マグネシウム血症などが原因となる。
試験・臨床での重要ポイント
血清総Ca値はアルブミン(Alb)と結合している分を含むため、低アルブミン血症がある場合は『補正Ca値 = 実測Ca + (4.0 - Alb)』(※Alb<4.0の場合)で評価するのが必須の知識である。
神経筋の過敏性を示すサインとして、耳前部の顔面神経を叩打すると上唇などがピクッと攣縮する『Chvostek(クボステック)徴候』と、血圧計のマンシェットを収縮期血圧以上で数分加圧すると手が「助産婦の手(白鳥の首)」のように硬直する『Trousseau(トルソー)徴候』が画像問題で超頻出。
覚え方・コツ
「低Ca血症は『神経が過敏になってピクピク・痙攣(テタニー)』する状態!副甲状腺がサボるか、腎不全が原因。ほっぺたを叩くとピクッとなる『クボステック徴候』と、血圧計で腕を絞めると手が鳥みたいに固まる『トルソー徴候』の2大サインは絶対暗記!心電図は伸びる(QT延長)。アルブミンが低い時は計算式(Payneの式)で補正しろ!」
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原発性副甲状腺機能亢進症は、副甲状腺自体の腫瘍(腺腫など)により副甲状腺ホルモン(PTH)が過剰分泌され、高カルシウム血症をきたす疾患である。高Ca血症の2大原因の一つであり、骨病変や尿路結石を特徴とする。
MEN2は、RETがん遺伝子の変異により生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。「甲状腺髄様癌」と「褐色細胞腫」を必須病変とし、周術期の致死的なクリーゼを防ぐため、甲状腺手術よりも「褐色細胞腫の治療を絶対に優先する」ことが最大の鉄則である。
MEN1(Wermer症候群)は、がん抑制遺伝子であるMEN1遺伝子の変異により生じる常染色体顕性(優性)遺伝疾患である。「副甲状腺」「下垂体」「膵・消化管」の3つの内分泌臓器に腫瘍が多発するのが特徴で、高カルシウム血症(副甲状腺機能亢進症)が初発症状となることが多い。
高カルシウム血症は、血清補正Ca濃度が10.5mg/dL以上の状態。悪性腫瘍と原発性副甲状腺機能亢進症が2大原因であり、消化器症状や精神・神経症状をきたす。重症化すると「高カルシウムクリーゼ」として致死的になるため、早急な大量輸液とビスホスホネート投与が必要となる。