医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
下垂体腺腫は、下垂体前葉細胞から発生する良性腫瘍。ホルモンを過剰分泌する「機能性腺腫」と、分泌しない「非機能性腺腫」がある。機能性の中で最も頻度が高いのがプロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)であり、無月経・乳汁漏出症候群をきたす。
プロラクチン過剰症状:無月経、乳汁漏出、不妊、性欲低下、男性ではED。
局所圧迫症状(マクロ腺腫):頭痛、視野障害(両耳側半盲)。
※他の機能性腺腫:GH産生(先端巨大症)、ACTH産生(Cushing病)。
血液検査:血中プロラクチン(PRL)の著明な高値。
眼科検査:視野検査で両耳側半盲の確認。
画像診断(確定診断):『頭部MRI(造影)』でトルコ鞍内の腫瘍(微小腺腫:ミクロ、または巨大腺腫:マクロ)を確認する。
※薬剤性(胃薬や抗精神病薬)や原発性甲状腺機能低下症による高プロラクチン血症を除外する。
プロラクチノーマの第一選択:『ドパミン作動薬(カベルゴリン、ブロモクリプチン)』の内服。プロラクチン分泌を強力に抑制し、腫瘍も縮小させる。
外科的治療:薬物耐性例や、薬の副作用が強い場合、または視野障害が急迫している巨大腺腫の場合は『経蝶形骨洞的下垂体腫瘍摘出術(Hardyの手術)』を行う。
病態
頭蓋底のくぼみ(トルコ鞍)の中で腫瘍が大きくなる。上方に進展すると、視神経が交差する『視交叉』を下から圧迫する。
試験・臨床での重要ポイント
プロラクチノーマは『若い女性』の『無月経(生理がこない)』と『乳汁漏出(妊娠していないのにおっぱいが出る)』が最大のサイン。
腫瘍が大きくなった場合の局所圧迫症状である『両耳側半盲(視野の左右の外側が見えなくなる)』が眼科・神経系の超頻出キーワード。
下垂体腺腫の手術は頭を開けるのではなく、鼻の穴からアプローチする『経蝶形骨洞的手術(Hardy法)』が基本だが、プロラクチノーマに限っては『ドパミン作動薬(カベルゴリンなど)』の内服が第一選択となるのが重要。
覚え方・コツ
「プロラクチノーマは『妊娠してないのにおっぱいが出て、生理が止まる』腫瘍!腫瘍が大きくなると、目の神経のクロス部分(視交叉)を下から持ち上げて圧迫するから、『両目の外側(耳側)が見えなくなる(両耳側半盲)』!手術で鼻から腫瘍を吸い出す(Hardy手術)のが基本だけど、プロラクチノーマだけは『ドパミンの飲み薬』で劇的に小さくなるから薬が先!」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
中枢性尿崩症は、視床下部・下垂体後葉の障害により、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の合成・分泌が低下し、腎臓での水分再吸収ができなくなることで多尿と多飲をきたす疾患である。
甲状腺乳頭癌は、甲状腺悪性腫瘍の大部分(約90%)を占める癌。進行が極めて緩徐で、10年生存率が90%を超えるなど予後は良好だが、若年女性にも発症しやすく、頸部リンパ節転移を高率にきたす。細胞診での「すりガラス状核」が確定診断の鍵となる。
ビタミンDの欠乏により、腸管からのカルシウム(Ca)とリン(P)の吸収が低下し、骨の石灰化(ミネラル沈着)が障害される疾患。成長軟骨線(骨端線)が閉鎖する前の小児期に発症するものを「くる病」、閉鎖後の成人期に発症するものを「骨軟化症」と呼ぶ。
ウェルナー症候群は、思春期以降(20歳代頃)から急速に老化が進行する「早老症」の代表的疾患。常染色体潜性(劣性)遺伝であり、白内障、白髪、糖尿病、皮膚の硬化を呈し、悪性腫瘍(肉腫など)を高率に合併する。