医学部生・医療系学生による編集チーム。CBT・国家試験対策・学習効率化に関する実体験と医学教育知見に基づいた情報を発信。
ウェルナー症候群は、思春期以降(20歳代頃)から急速に老化が進行する「早老症」の代表的疾患。常染色体潜性(劣性)遺伝であり、白内障、白髪、糖尿病、皮膚の硬化を呈し、悪性腫瘍(肉腫など)を高率に合併する。
老化兆候:20代からの白髪、脱毛、両側性白内障(若年性白内障)、音声の高音化(かすれ声)。
皮膚・骨格:強皮症様の皮膚硬化、難治性潰瘍(足部)、四肢のやせ、鳥様顔貌。
代謝異常:糖尿病、脂質異常症。
悪性腫瘍の合併:骨軟部肉腫、甲状腺癌、悪性黒色腫など。
X線検査:『アキレス腱等の軟部組織の石灰化』。
遺伝子検査:WRN遺伝子の変異(確定診断)。
根本治療はない。
合併症の管理:白内障手術、糖尿病のコントロール、皮膚潰瘍に対するケア(難治性のため切断に至ることもある)、悪性腫瘍の早期発見・治療。
病態
DNAの修復や複製に関わる『WRN遺伝子(DNAヘリカーゼ)』の変異により、細胞の老化が異常に早く進む。日本人に患者が多い(世界の報告の半数以上が日本人)。
試験・臨床での重要ポイント
『20〜30代で白内障や白髪・脱毛が始まる(早老)』エピソードが典型的。
特異的顔貌として、鼻が尖り口が小さくなる『鳥様顔貌(bird-like facies)』や、手足の筋肉と脂肪が落ちて細くなる『四肢の萎縮(中心性肥満を伴う)』が有名。
また、『アキレス腱の石灰化(レントゲンで白く写る)』や『難治性の皮膚潰瘍(アキレス腱部や踵)』が国試の画像問題の決定打となる。死因の多くは悪性腫瘍(上皮性の癌だけでなく、肉腫などの非上皮性腫瘍が多い)と動脈硬化性疾患(心筋梗塞など)である。
覚え方・コツ
「ウェルナーは『20代から急速に年をとる(早老症)』!顔が鳥みたいにシュッとして(鳥様顔貌)、手足がガリガリになる。アキレス腱に石灰が溜まって(レントゲンで真っ白)、足に治らない潰瘍ができるのがサイン!ガンや心筋梗塞になりやすくて、寿命が短い悲しい病気だ。」
ここで読んだ内容を、AIや関連コンテンツでそのまま深掘りできます。
中枢性尿崩症は、視床下部・下垂体後葉の障害により、抗利尿ホルモン(ADH:バソプレシン)の合成・分泌が低下し、腎臓での水分再吸収ができなくなることで多尿と多飲をきたす疾患である。
甲状腺乳頭癌は、甲状腺悪性腫瘍の大部分(約90%)を占める癌。進行が極めて緩徐で、10年生存率が90%を超えるなど予後は良好だが、若年女性にも発症しやすく、頸部リンパ節転移を高率にきたす。細胞診での「すりガラス状核」が確定診断の鍵となる。
下垂体腺腫は、下垂体前葉細胞から発生する良性腫瘍。ホルモンを過剰分泌する「機能性腺腫」と、分泌しない「非機能性腺腫」がある。機能性の中で最も頻度が高いのがプロラクチン産生腫瘍(プロラクチノーマ)であり、無月経・乳汁漏出症候群をきたす。
ビタミンDの欠乏により、腸管からのカルシウム(Ca)とリン(P)の吸収が低下し、骨の石灰化(ミネラル沈着)が障害される疾患。成長軟骨線(骨端線)が閉鎖する前の小児期に発症するものを「くる病」、閉鎖後の成人期に発症するものを「骨軟化症」と呼ぶ。